生物物理計算化学者の雛

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やっぱり授業中に個人の思想信条が絡む嘆願書を配るのはまずいよね

授業内における学生団体の要請活動への本学嘱託講師の対応について - HEADLINE NEWS - 立命館大学

授業中に朝鮮学校無償化に関する嘆願書を配布したことが問題視され、大学から上リンクのような釈明文が出されました。

いくつかのまとめブログが「単位を人質にして嘆願書の記入を強要」といった具合に煽っているようで、一部で炎上しているようです。
(「朝鮮学校無償化 授業中 嘆願書」あたりでググれば出てきます)



なぜ授業中に嘆願書を配ってはまずいのか

事実関係としては、教員は学生団体からの嘆願書の依頼に対して許可し、学生団体が嘆願書の説明、配布、回収を行ったようです。
そして教員は嘆願書への記入の有無等の情報は一切受け取っていないとしています。

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この釈明通りであれば授業の成績と嘆願書への態度は一切関係がないことになります。

ただし、この嘆願書に関する限り学生団体と教員の利害関係は一致していると見なしてよいでしょうから、「嘆願書を集めて集計したあとで結果を教員に伝えるのではないか?」という疑念は浮かびます。

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実際に教員と学生団体が知り合いである以上は、後で結果を伝達することは可能です。

この疑念が浮かんでしまうと、学生としては内心でどう思っていようと、単位取得のために嘆願書を書くという選択を迫られたと感じてしまうでしょう。

どうしても授業中に配りたいなら、かなりの配慮が必要

この嘆願書のような書類を授業で配りたいのであれば、かなりの配慮をする必要があります。

例えば、ある大学では授業改善のために授業のアンケートをとっていますが、そのアンケートの取扱は以下のようにかなり配慮されています。

  • アンケート配布前に、アンケート記入内容と単位認定とは一切関係がないことを説明する。
  • アンケート回答中は教員は教卓から離れてはいけない。(回答中のアンケートをのぞき見しないように)
  • 回答後のアンケート用紙に教員が触れてはいけない。
  • 学生代表者を選び、アンケート用紙の回収はすべて学生代表者に任せる。
  • 学生代表者は回収したアンケートを封筒に入れ、学生代表が事務に直接提出する。

ここでの一番のポイントは、アンケート提出先が教員と利害関係がない学生代表者であることです。
こうすればアンケートでどんなに授業内容を貶そうとも教員にはその情報は伝わらないため、単位取得のことを気にすることなく正直な感想を書くことができるわけです。

同様に、今回の嘆願書をどうしても配りたいのであれば、提出先としては、結果を教員に伝えることが不可能な完全に独立な第三者にする必要があったわけです。

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例えば「授業では嘆願書は配布するだけにし、記入は各自が家で行い、従来から嘆願書を募集している窓口(授業とは一切関係が無い)に郵送する。当然のことながら、嘆願書を書きたくない人は書かなければよいだけ。」といった方法が考えられます。

Hadoopをコア数の多いマシンで使う場合はユーザプロセス数上限も増やす必要あり

先日導入した 24 CPUコア搭載マシン(
Xeon E5-2697v2 搭載24コアマシンの性能と消費電力をチェック - 生物物理計算化学者の雛
)で Map スロット数 24 でHadoopジョブを流したところ、Map処理21本は正常に流れるが、残り3本はエラーで停止してブラックリスト入りする状態になってしまいました。

エラーメッセージは以下の通りです。(CentOS 6.2、Hadoop version 0.21.0)

java.lang.Throwable: Child Error at org.apache.hadoop.mapred.TaskRunner.run(TaskRunner.java:249) Caused by: java.io.IOException: Task process exit with nonzero status of 134. at org.apache.hadoop.mapred.TaskRunner.run(TaskRunner.java:236) ,
java.lang.Throwable: Child Error at org.apache.hadoop.mapred.TaskRunner.run(TaskRunner.java:249) Caused by: java.io.IOException: Task process exit with nonzero status of 1. at org.apache.hadoop.mapred.TaskRunner.run(TaskRunner.java:236)

何度繰り返しても21本は動いて3本はエラーになるため、設定に問題があると考えいろいろ試行錯誤したところ、ユーザプロセス数を増やすことで期待通り24本のMap処理が走るようになることがわかりました。

なお、ファイルディスクリプタについては既にデフォルトの1024から増やしてありました。(参考:
Hadoopクラスタでulimitを設定するときの注意点 - tagomorisのメモ置き場、/etc/security/limits.confのnofileプロパティを増やせばよい)


ユーザプロセス数の設定は /etc/security/limits.d/90-nproc.conf ファイルを書き換ることでできます。

# Default limit for number of user's processes to prevent
# accidental fork bombs.
# See rhbz #432903 for reasoning.

*          soft    nproc     1024

デフォルトでは上限が1024になっているので、これを8192のように大きな値に書き換え、マシンを再起動(再起動しなくても再ログインでもOKかも?)することでユーザプロセス数上限を増やすことができました。


上限値が変更されているかどうかはルート権限で「ulimit -a」を実行することで以下のように確認できます。

core file size          (blocks, -c) 0
data seg size           (kbytes, -d) unlimited
scheduling priority             (-e) 0
file size               (blocks, -f) unlimited
pending signals                 (-i) 256445
max locked memory       (kbytes, -l) 64
max memory size         (kbytes, -m) unlimited
open files                      (-n) 32768      # ファイルディスクリプタ、デフォルト1024
pipe size            (512 bytes, -p) 8
POSIX message queues     (bytes, -q) 819200
real-time priority              (-r) 0
stack size              (kbytes, -s) unlimited
cpu time               (seconds, -t) unlimited
max user processes              (-u) 8192       # ユーザプロセス数、デフォルト1024
virtual memory          (kbytes, -v) unlimited
file locks                      (-x) unlimited

ポータブルBDプレーヤーBDP-Z1を購入

今日発売日のソニーのポータブルブルーレイディスクプレーヤーBDP-Z1を購入しました。
発売日は2013年12月21日となっていますが、ソニーストアでの先行予約販売で今日届きました。

ソニー ポータブルブルーレイディスク/DVDプレーヤー BDP-Z1

ソニー ポータブルブルーレイディスク/DVDプレーヤー BDP-Z1

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今まででもポータブルBDドライブを持っていたためBDディスクを再生することはできました。

BUFFALO BDXL USB2.0用 ポータブルブルーレイドライブ ブラック BRXL-PC6VU2-BK

BUFFALO BDXL USB2.0用 ポータブルブルーレイドライブ ブラック BRXL-PC6VU2-BK

しかし付属されているBD再生ソフトPowerDVDのバージョンが古いせいか、Windows8マシンでBDを再生すると互換性の関係かウィンドウの色が変に変わってしまうため、あまり使う気になれませんでした。


なお今回購入したプレーヤーではBD/DVDディスクを再生できることに加え、地上波デジタルTVを見ることもできます。

本体、リモコン、ACアダプタ、自動車での給電用のカーバッテリーアダプター、ミニB-CASカードが入っています。
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裏側のフタを開けてBD/DVDをセットします。
またこの部分にミニB-CASカードの挿入口があります。
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左側にはACアダプタ入力、ヘッドホン出力、LANポート、USBポート、HDMI出力ポートがあります。
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右側には電源スイッチや音量調節等のボタン類が並んでいます。
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このBDプレーヤーはカバーが一体となっていて、画面を覆っているカバーを裏に回して画面を立てることができます。
裏面には出っ張りが3つあり、どれにカバーをひっかけるかによって角度を3段階調整できます。
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さっそく手元にあった「24 twenty four」のBDを再生してみましたが、10.1インチという小さ目の画面であるためか画素数が1366×768のハーフHDであることはほとんど気にならず十分にキレイです。
音質についてはこのサイズであることを考えるとまぁ不満はないという程度です。
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サイズの参考としてiPhone4と並べてみました。
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Vaio Pro 11と並べるとこんな感じです。
重量は1.6kg程度で、Vaio Pro 11 (タッチパネル無し)の770gの倍以上です。(ま、BDプレーヤーを外に持ち運ぶつもりはないので問題ありませんが)
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ただ残念ながら私の部屋では地デジを見ようとしても電波の入りが悪く全然見ることができませんでした。
テレビを見たければ別売りのアンテナケーブルを購入してつなぐ必要があるようです。

カタログを見ると消費電力は最大10Wとあるので、今まで使っていた50W程度を消費する24インチのテレビと比べれば1/5程度の消費電力で済む点も大きな魅力です。


しばらく使いながら気づいた点があれば追記していきます。

iPhone4からiPhone5Sに移行

これまでiPhone4を使っていたのですが、先日iPhone5Sに機種変更をしてきました。

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左がiPhone5S、右がiPhone4

縦長になり、より軽くなった

iPhone5Sではディスプレイがより縦長になっており、アイコンがiPhone4では縦に4+1個表示されていたものが5+1個表示されるようになっており、さらにブラウザ等での縦長なサイトの閲覧も快適になっています。

縦長になった分、シャツの胸ポケットに入れるとiPhone4だとピッタリおさまっていたのに対してiPhone5Sだと少しはみ出してしまうようになりました。

持ち比べてみると重量は明らかに軽くなっています。
(iPhone4は137g、iPhone5Sは112g)

充電用端子が変わったから今までのケーブルが使えない・・・

これまでのiPhone4やiPod touch、iPadで共通でつかえていた充電用端子が、iPhone5SではLightningコネクタという別の形状に代わってしまっているため、今まで使っていたケーブルが使えないのは不便ですね。

現時点ではiPhone5S本体付属の1本しかないので、追加でLightningケーブルを購入しておきたいところです。

Amazonベーシック Apple認証 (Made for iPhone取得) iPhone5、5c、5s用 ライトニングUSBケーブル 約90cm

Amazonベーシック Apple認証 (Made for iPhone取得) iPhone5、5c、5s用 ライトニングUSBケーブル 約90cm

CPU性能向上はご利益大

iPhone4の時点でもブラウザやtwitterでネットを見て、論文のPDFファイルを表示してといった具合に必要な機能はそろっていたので、新しいiPhoneに変える必要性はさほど感じていなかったのですが、実際に変えてみるとCPUの性能向上のご利益はかなり大きく関します。

iPhone4ではブラウザでサイトを表示しようとすると、表示されるまでに数秒待たされていたのですが、iPhone5Sでは瞬時に表示が始まります。

PDFの表示でも表示までに待たされる時間も短くなっており、またスクロールもスムーズに動くようになりかなり快適になりました。

ビックカメラで購入

ソフトバンクでのiPhone5Sへの機種変更はビックカメラで行いました。

メモリは32GBで十分だと思っていたのですが、在庫が64GBメモリのものしかなかったため64GB(スペースグレイ)にしてしまいました。

購入時にiPhone5S本体の代金は割賦で分割払い(3,675円/月×24月=88,200円)にするのがいいか、それとも一括で払うのがいいか聞いたところ、一括で買えばビックカメラのポイントが3%付く分有利だと聞いたので本体価格88,200円を一括で払いました。(うーん、高い)

その分毎月の支払額から端末代金はなくなるので、月々の支払は3千円くらいになる?はずです。

なお機種変更時にiPhone基本パックR(月525円)、あんしん保証パック(月682円)、UULA(動画サービス、月490円)といった有料オプションがつけられてしまうので、不要なオプションは無料期間が終わる前に解約しておく必要があります。

また後で連絡がくる「かいかえ割り」は申込みをすることで12か月間1,050円の割引を受けることができます。(忘れないようにと注意されました)

機種変更時は電話番号を伝えて、身分証明書(免許証)を見せるだけでスムーズに進みました。

その場で店員さんが新しいiPhone5Sを開封してSIMカードを挿して通話可能な状態にしてから渡してもらえました。
古いiPhoneの方はSIMカードは挿したままの状態で、新しいiPhoneと引き換えに通話不能になりました。

CentOSでGanglia可視化のためのhttpdサービスが起動不能になったことに対応

多数マシンの稼働状況を監視するプログラムGangliaでhttpdサービスによりブラウザ上での可視化を提供していたマシン(CentOS 5.5)にトラブルがあり再起動をしました。

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Gangliaによる監視



ところが再起動してもGangliaの表示がされないため調べてみたところ、httpdサービスの起動に失敗していました。
手動で /etc/init.d/httpd restart を行っても起動に失敗したためエラーログを調べたところ、/var/log/httpd/nss_error_log に以下のメッセージが記録されていました。

[Tue Nov 05 14:27:40 2013] [error] Certificate not verified: 'Server-Cert'
[Tue Nov 05 14:27:40 2013] [error] SSL Library Error: -8181 Certificate has expired
[Tue Nov 05 14:27:40 2013] [error] Unable to verify certificate 'Server-Cert'. Add "NSSEnforceValidCerts off" to nss.conf so the server can start until the problem can be resolved.~

Add "NSSEnforceValidCerts off" to nss.conf
とあったため、/etc/httpd/conf.d/nss.conf ファイルの先頭に以下の1行を追加しました。

NSSEnforceValidCerts off

(参考:centos5.2 phpMyAdmin設置とnss.confの設定

以前はこのnss.confを修正することなくhttpdは起動していたのですが、これは Apache 2.2 系列からhttpdサービス起動のためにはnss.confファイルの編集が必要になったらしく、自動的にApache 2.2系列にアップデートされたことが原因かなと推測しています。

nss.conf修正後に /etc/init.d/httpd restart を実行したところ無事httpdサービスは起動し、Gangliaによるブラウザ上でのサーバ稼働状況を確認に可能になりました。

理系のための人生設計ガイド 坪田一男著

ブルーバックスから発売されている「理系のための人生設計ガイド」を読みました。

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

この本では研究活動そのものに関連するアドバイス(論文の書き方等)ではなく、研究者としてのキャリアを築いていく上のアドバイスが中心となっています。

私が個人的に強く興味を持った部分は以下の通りです。

第3章 経済編 「研究者こそ経済的自立が必要だ」

教員になったとして得られる年収は・・・その金額で子供を養うことを考えると学費、生活費がこれだけかかって・・・収入を増やすにはアルバイト(著者は医学系なので病院でのアルバイト)や講演料も重要で・・・

といった具合に研究者としてのキャリアと人生で必要となるお金についての話があり、なかなか面白く読めました。

第6章 ポスト編 「母校の教授になるために」

とにかく母校である慶応大学の教授になりたい!と考えていた著者がいかにして希望通りに慶応大学教授になれたかを説明されています。

教授というポストの審査がどのように行われているかという情報はほとんど表に出てこないものだと思いますので、この章の内容はかなり興味深いものでした。


他にもノーベル賞を狙う気持ちで研究をする といった具合にいろいろとためになる内容が多かったです。


ブルーバックスで1,000円でお釣りがくる手ごろな価格の本ですので、アカデミックな世界で生きていこうと考えている人であれば読んでおくとかなり参考になると思います。


なお、この著者の坪田一男教授は、より研究活動そのものに重点を置いた本も執筆されており、こちらも近いうちに読んでみたいと思っています。

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)

はてなダイアリーからはてなブログに引っ越しました

先月末(10/31)からなぜかGoogle Analyticsに集計されるアクセス履歴がモバイルからのアクセス(URLに /touch/ がつくもの)のみしか集計されなくなりました。

調べてみても対応策がわからなかったので、これをきっかけに以前から考えていたはてなダイアリーからはてなブログへの引っ越し作業をすることにしました。

はてなダイアリーは昔からあるサービスですが、新サービスであるはてなブログ公開後は新機能の実装等がされなくなっており、いずれはてなブログに統一されそうだというのもはてなブログに移行した理由です。

はてなダイアリーからはてなブログへの移転は簡単

両方とも運営元がおなじはてな社なだけあり、はてなダイアリーからはてなブログへの移転作業は極めて簡単でした。
はてなダイアリーからのインポート(ブログの移行) - ヘルプ - はてなブログ

はてなブログに移転後はGoogle Analytics等の外部サービスとの連携を改めて行いました。
はてなブログで Google Analytics を使う時の設定方法 - つばき さざんか 茶飲んでずずず

ちょっと触った感じでは、はてなブログの方が新しいサービスだけあって入力も快適になっている感じです。