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生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

電気代の履歴から節電を考える

福島での大地震・大津波をきっかけに生じた深刻な原子力発電所の事故のため、原子力発電所の再稼働が実質的に不可能になっています。
現時点では、関西電力の大飯原発3・4号機を例外として全原発が停止中です。
このために電力需要ピークを乗り切るための節電努力が全国的になされてます。
また原子力発電所が発電していた電力を火力発電の稼働増によってカバーしており、輸入する化石燃料のコストも相当な金額に達しています。

電力供給が問題になっている今、我が家の電気料金の履歴からいろいろ考えてみます。
我が家はオール電化であり、通常の「従量電灯」契約と、夜間にお湯を沸かす電気温水器用の「深夜電力」契約の2契約があります。

毎月の電気代の推移

まずこれは我が家の2010年からの毎月の電気代(従量+深夜の合計)の推移です。

この図だと1月にピークがありますが、1月は他の月よりも検針日の違いから使用日数が長い(他の月は28〜32日に対し、1月は34または35日と長い)ため、月ごとの比較を正しく行うためには「電気代÷日数」で1日当たりの料金にする必要があります。
これを計算したものが次の図です。

2月を中心とする冬季に1日当たり150円超程度のピークになり、その他の時期は1日当たり140円程度であることがわかります。
また月が同じであれば年の違いによるはっきりとした違いは見られません。

「従量電灯」と「深夜電力」の比較

2契約それぞれの1日あたり電気代を計算したものが下の図です。

従量電灯に関しては、夏と冬に冷暖房によると思われるピークがありますが、毎月の変化はさほど大きくありません。
一方でお湯を沸かすのに使う深夜電力の料金は、明らかに冬が高く夏は低いことがわかります。

毎月の電気消費量(kWh)の推移

電気代の請求書には電気代だけでなく「電気使用量(kWh)」も記録されており、消費量も比較することができます。
次の図は1日当たりの消費量を「従量電灯」「深夜電力」「2契約の合計」について計算したものです。

季節によりますが、従量電灯よりも深夜電力の方が多く電力を消費しています。
去年(2011年)全体の消費電力の合計から計算すると、我が家の消費電力全体のうち63%が給湯に使われ、残り37%がその他の用途でした。

従量電灯に関しては冷暖房による冬夏に小さなピークはありますが、消費量は3kWh/日程度でほぼ一定です。
それに対して深夜電力は夏と冬の消費電力量が倍程度異なっています。
冬には冷たい水をお湯にするためにより多くのエネルギーが必要であることから理解できます。
また年で比べると、今年(2012年)3月になってから、前年までより深夜電力がかなり低減されていることがわかります。
これは3月に電気温水器を最新のものと交換したことによる節電効果だと結論できます。

電力単価の上昇

最後に電気料金(円)を電力量(kWh)で割って電力単価(円/kWh)を計算したところ、興味深い結果が得られました。
(きちんとした単価を知るためには一定額の基本料金を差し引く必要がありますが)

従量電灯は今年になって1割程度(3円程度)価格が上昇しています。
深夜電力も今年になって従量電灯と同じ3円程度の価格上昇が見られますが、元の単価が10円程度と低かったため、電力単価上昇幅は3割と相対的に大きくなっています。

元々深夜電力は一定出力で運転する原発の無駄になっていた夜間余剰電力を利用するためのものだったので、単価を安くできていた面があります。
それに対し現在のように原発が全て停止している状況では、ピークカット面では意義があるものの、深夜電力料金を安く保つ意義は小さくなっています。
そのため電力会社が深夜電力単価を相対的に大きく引き上げることは合理的です。

効果的な節電のためにはまず数値を知ろう

実際にグラフ化してみて実感しましたが、消費電力量を低減することを目的とするのであればまずは数値を知ることが重要です。
我が家の場合は「深夜電力による給湯」の消費電力量が6割以上を占めて最も大きく、最新の電気温水器を導入することで結果的に極めて高い節電が実現できていました。
特別な装置がなくても数値を知ることができる電気料金通知書の情報だけでもいろいろわかることはありますので、記録をとっておいてあとで見直してみてはいかがでしょう。

関連項目
CPU周波数上限の制御による消費電力低減 - 生物物理計算化学者の雛
CPU周波数上限の制御による消費電力「量」削減 - 生物物理計算化学者の雛