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生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

わずかなアミノ酸残基の違いにより異なるフォールド構造になるタンパク質

岩波書店から出版された、分子レベル〜人体レベルまでの生命シミュレーション研究を概観した本を読み始めました。

計算と生命 (岩波講座 計算科学 第4巻)

計算と生命 (岩波講座 計算科学 第4巻)

24ページに「わずか3アミノ酸違うだけで、まったく構造の異なるタンパク質も作り出された」とあり興味をもちましたので、元論文にあたってみました。
http://www.pnas.org/content/105/38/14412.abstract (オープンアクセスなので、誰でも論文PDFをダウンロードできます)

下の図はNMR測定で得られた構造(論文のFig.6)であり、56残基の長さのタンパク質がαへリックス3つで構成される3-α構造(左)から、残基7つを変えることでαヘリックスおよびβシートで構成されるα/β構造(右)に変化したことを示しています。

さらにこの得られた構造から、同一アミノ酸であってもフォールド構造の違いを変えないであろう残基を推測することにより、最終的に3つの残基が異なるだけで、3-α構造とα/β構造の構造を示すタンパク質を合成しています。