生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

Youtube MD動画再生数から計算化学(基礎科学)が盛んな国を見る

3年半ほど前にYoutubeにアップロードした水のMD動画の再生数が1万再生近くまで増えてきました。

MD計算の動画を見る人というのは、基礎科学の一分野である計算化学に関連のある人が多いでしょうから、再生数が多い国ほど基礎科学が盛んな国であろうと推測できます。
そこで各国・地域の再生数をまとめてみました。

再生数トップ10・トップ25

全世界での再生数トップ10を地図上に示し、トップ25をグラフにしました。


  • トップはアメリカであり、再生数は圧倒的に多く、2位ドイツの4倍以上の大差をつけています。
  • 2位はドイツで、トップ25までに多くの欧州国(計12か国)がランクインしています。
  • 3位はインドで、4位日本よりも多くなっています。
    • 他にもアジアからは11位韓国、12位台湾、13位タイがランクインしています。
  • 他の地域では6位カナダ、7位ブラジル、15位オーストラリア、20位イスラエル、23位メキシコ、25位アルゼンチンとなっています。
  • おおまかには、国際学会や論文での各国の存在感に比例している印象です。
  • ただし、一国だけ大きな例外があります。それは中国です。中国は政治的理由からYoutubeがシャットアウトされているため、このMD動画の再生数もたったの2回しかなく、近年の急激な中国の成長を反映していません。

アフリカの雄、アルジェリア

アフリカの情報を見たところ興味深い結果でした。

トップ5は順にアルジェリア(再生回数51回、全体では39位)、エジプト(31回)、モロッコ(28回)、南アフリカ(24回)、チュニジア(12回)でした。
エジプトや南アフリカは出身の科学者を知っているので驚きはなかったのですが、人質事件で話題になっているアルジェリアが意外と高い順位でした。

このアフリカ北部と南部で基礎科学が(アフリカの中では相対的に)盛んである理由は経済力にあると言えそうです。
下図はアフリカ各国の2002年の一人あたりGDPで色分けした地図です。(Wikipediaより引用)

やはり基礎科学を推進するためには、基盤となる経済力が必要になるのでしょう。