生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

各種MD力場によるβヘアピン構造形成の比較動画

タンパク質MDシミュレーションで使われる代表的な力場としてAmber, GROMOS, CHARMM, OPLS 等があります。各力場パラメータにはαヘリックス・βシートといった二次構造のどれを形成しやすいかという傾向があります。

各種力場を使ったMD計算での二次構造形成を比較した動画がYoutubeにありましたので紹介します。

Force field comparison: Amber, GROMOS, CHARMM, OPLS:

Comparison of secondary structure formation using different force fields in microsecond molecular dynamics simulations. All simulations were started from the same initial conditions.

We tested the following force fields: Amber ff99SB-ILDN, Amber ff99SB*-ILDN, Amber ff99SB, Amber ff99SB*, Amber ff03, Amber ff03*, GROMOS96 43a1p, GROMOS96 53a6, CHARMM27 and OPLS-AA/L

論文http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ct300323g?mi=utrny9&af=R&pageSize=20&searchText=responsive

計算対象は16残基のβヘアピン構造にフォールドするペプチドです。
テストした力場のうちCHARMM27とOPLS-AA/Lはβヘアピン構造形成がうまくいかなかったようです。

以前の水モデルの力場でも記述しましたが、どの力場パラメータを適用するかによって、得られるシミュレーション結果は変わってきます。
特にタンパク質のフォールド構造探索のように、大きな構造変形を取り扱う場合には力場の選択は重要になってきます。