生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

他大学での非常勤講師給与が20万を超えたら確定申告をしましょう

2か所以上から給与を受けており、年末調整を受けたメインの職場以外から給与が20万円以上の人は確定申告の義務があります。
No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁

私は去年メインで働いている機関とは別の大学で複数の非常勤講師の授業を持っており、非常勤講師の給与が年20万円を超えたため、確定申告の義務が生じたので先日申告をしてきました。


おおよそ非常勤講師の給与は授業1コマ1回で1万円程度であり、授業を1コマをもつと半年間で授業15回、15万円程度の給与になります。

そのため例えば以下のような場合は確定申告が必要になります

  • 前期(4月~9月)2コマの授業 30万円の給与
  • 前期(4月~9月)1コマの授業15万円 + 後期(10月~翌年3月)1コマの授業3か月分(半分)で7.5万円 = 計22.5万円の給与


なお給与収入を受けた会社、大学などの各々の職場からは、翌年の1月中に源泉徴収票が送られてきます。
確定申告の際にはこの源泉徴収票を添付する必要があります。


確定申告により生じるおおよその負担額

確定申告では所得税を計算して納税することになります。

所得税の税率は5%から始まり、収入の増加による累進課税のため税率は40%まで上昇します。
No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

通常のポスドクの収入では税率は5%~10%程度となりますので、仮に確定申告で20万円の給与所得を申請すれば、おおよそ20万円の給与に対して5~10%の1~2万円の所得税を支払うことになります。
(給与の3%程度は天引きで既に納付されているので、その分は差し引きますが)

また地方自治体(都道府県、市町村)に支払う住民税についても所得税の確定申告をすれば税務署から地方自治体に連絡がいき、翌年の住民税に反映されます。
こちらは住んでいる場所によって税率が異なりますが、私の場合は確定申告による住民税の上乗せは所得税の倍額程度になるようです。

またどの程度の額になるかはよくわかりませんが、年金保険料などの社会保険料も収入額に依存して増加するようです。

確定申告の結果、所得税、住民税、社会保険料が増える分を考えると、非常勤講師の収入の2割程度は差し引かれることになりそうです。


オンラインでの確定申告書作成

国税庁は確定申告書を作成するサイトを公開しています。
【確定申告書等作成コーナー】-TOP-画面

「書面提出」―「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」―「左記(給与が1か所の方)に該当しない方」と選択します。
そして「給与所得」の項目に源泉徴収票の内容を見ながら入力することで必要な納税額が計算され、簡単に確定申告書を作成することができます。

税務署への確定申告書提出

作成した確定申告書をプリンタで印刷し、指定されたページに源泉徴収票などの必要書類を貼付して、自分の住所を管轄している税務署に提出します。
管轄の税務署は国税局の所在地及び管轄区域|国税庁概要・採用|国税庁で確認できます。
例えば、愛知件名古屋市中川区に住んでいるのなら、管轄は中川税務署宛になります。

提出期限は3月15日くらい(毎年変わります)ですので、確認してください。

税務署は平日の昼間しか開いていませんが、週末にも確定申告書を受け付けてくれる臨時の確定申告会場も設置されるので、確認してみるとよいでしょう。

確定申告により納税が必要であれば、税務署で確定申告書を提出後に支払うことができます。
また支払用紙を受け取って、後で支払うことも可能です。

税務署への郵送でも大丈夫

初めての確定申告時は不安があったので税務署で直接提出しましたが、2回目以降は提出書類についてもう不安がなくなったので、税務署に確定申告書を郵送して済ませました。

郵送先は管轄の税務署の住所でOKです。

A4書類が入る封筒を用意し、印刷した確定申告書や源泉徴収表を貼付した紙、税金の納付書送付依頼書(銀行口座情報を書く)などの必要書類をすべて封入し、普通郵便として郵便局や郵便ポストで出すだけです。
郵便事故が不安な人は、簡易書留くらいで出しておくと安心できます。

うまく受理されれば、4月中くらいに「指定口座から税金を口座振替で引き落とします」という内容のハガキが届きます。