生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

化学と工業2012年10月号の感想

日本化学会の月刊誌「化学と工業」の2012年10月号が届いたのでざっと読んで印象の残った部分の感想を書きます。
目次は http://www.chemistry.or.jp/journals/kakou/cimok/ci12-10.pdf で見れます(PDFです)。

p.753- 目をサポートする化学

メガネやコンタクトレンズの素材と、目薬の成分についての話でした。
特に目薬に関する部分は、目の角結膜表面の涙の3層構造(油層、水層、ムチン層)が崩れるとドライアイになるという点は、去年の冬にドライアイっぽくなって眼科にかかったときに「涙の油分が不足して乾燥しているようだ」と言われたのを思いだしました。
あとライオンの研究者の方が、ビタミンA誘導体には目の表面細胞の回復速度を促進する性質があり、目薬にこれを配合しているのはうちの製品だけだと述べています。
実際に「スマイル40EX」等にビタミンA誘導体(パルミチン酸レチノール)が含まれていますね。

p.758- 岩石と水の反応から地球史に迫る

数十億年前の地球は、現在の酸素分子が豊富な酸化的環境とは違う還元的環境にあったために、海水中に溶解する金属元素の種類が現在の海とは異なっている、あるいは生命にとって必須元素であるリンの循環サイクルが異なっている等なかなか面白い読み物でした。
読んでいて昔プレイしたシムアースというゲームのことを思い出してしまいました。
このあたりの元素的な進化も含めるともっと重厚的な面白いゲームになりそうな予感がします・・・どこかシムアース的なゲームの新作を作ってくれないかな。