本日早稲田大学より、小保方さんの博士号は取り消し規定に該当しないという結論が調査委員会により得られたという報告がありました。
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが2011年に早稲田大大学院で博士号を取得した論文について、早大の調査委員会(委員長・小林英明弁護士)は17日、文章や実験画像の流用は誤って草稿が提出されたことが原因で、博士号の取り消し規定に該当しないとの調査報告書をまとめた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140717-00000090-jij-soci
いくつかのニュースを見て得た自分なりの理解は以下の通りです。
- 調査委員会の報告
- 小保方さんは博士論文の最終稿でなく、執筆途中の草稿を誤って博士論文として提出した
- コピペ部分は単なる下書き部分であり、最終稿では差し替える予定の部分であり悪意は無かった
- ただし博士論文の出来そのものには問題点が極めて多く、きっちりと博士論文を審査していれば博士号授与は極めて難しかったはず
- 博士号審査過程、制度には極めて重大な問題が存在している
- 早稲田大学の学則によると、博士号剥奪の要件は「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したとき」であるが、小保方さんにはこの要件は当てはまらない
- 仮に博士号剥奪を強行すれば、法に触れる可能性が高い
- 小保方さんは博士論文の最終稿でなく、執筆途中の草稿を誤って博士論文として提出した
- 早稲田大学としての対応
- 調査委員会の報告をこれから精査し対応を検討する
- 最終的な博士号剥奪などの処分の権限は早稲田大学総長にあり、調査委員会の結論は総長の決定を拘束しない
裁判を覚悟の上ででも博士号剥奪の決断を願う
まっとうに研究を行っている科学者から見れば、小保方さんの研究の進め方、論文の書き方は性善説的によく言ったとしても「杜撰」の一言であり、擁護できる部分がないと感じることと思います。
これは理研や早稲田大学の上層部も同様だと信じたいのですが、裏ではいろいろなことがあるようで、すんなりと小保方さんを切り捨てることができないようです。
今回の早稲田大学の調査委員会でも、法的には小保方さんの博士号を剥奪することは難しい、つまり剥奪を強行すれば裁判沙汰になりかねないという結論が出てしまいました。
それでも私個人の意見は「小保方さんの博士号は剥奪すべき」です。
このtogetterまとめには極めて共感できます。
早稲田大学の学位取り消さない決定に揺れるTL - Togetterまとめ
博士号剥奪をしないとすれば、早稲田大学はいい加減な論文を書く人物にも博士号を与えてしまう「ディプロマミル」同様の大学だという評価がついてしまいます。
(さらには国際的には日本で取得する博士号の価値が色眼鏡で見られる結果になってしまうリスクもあります。)
せめて「不正が発見された、あるいは不正が十分に疑われるような博士論文に対しては博士号剥奪という厳正な対処をする」という意思表示を早稲田大学はにはしていただきたいと願います。
仮に「一旦剥奪したものの裁判沙汰になり、敗訴して小保方さんの博士号を認めざるを得ない&金銭的な出費を強いられる」状況になったとしても、「博士論文に重大な疑義があったが剥奪の意思を見せなかった」場合に比べれば早稲田大学の評価を保つことはできるのではないでしょうか。
調査委員会の結論は総長の決定を拘束しないということですので、早稲田大学総長には英断を期待しています。