福島原発事故以来、現在・今後の電気供給における原発の立ち位置について賛否両論が繰り広げられています。
電気屋が語る「電気は足りていません」の呟き
物理屋が語る『電気屋が語る「電気は足りてません」の呟き』は足りてません
オイルショックを機に原発に賭けた
福島事故以前の日本は国を挙げて原子力発電を推進してきました。
原発推進の大きなきっかけとなったイベントとしてオイルショックが挙げられます。
当時、国内の九つの電力会社は年間約5500万キロリットルの燃料を消費していた。これは原油の総輸入量の2割を占め、備蓄も25日程度しかなかった。禁輸は発電用燃料の”欠乏”を意味したのだ。
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11145922018.html
オイルショックで原油の輸入が止まれば、1カ月足らずで火力発電用燃料が枯渇する状況にあったわけです。
これを機に、原油備蓄の増強と並び原発推進が加速されます。
原発推進に賭けた結果:二重に負けた日本
自前の資源に乏しい日本は原発推進に賭けたわけです。
この賭けは
ものであったと解釈することができます。
そしてその結果(少なくとも現時点では)日本の賭けは二重の意味で負けに終わりました。
第一に、原油供給の深刻な危機は生じず、原油価格が極めて安い時期が長く続いた点です。
これはコスト面で原子力発電が火力発電よりも割高になるという結果をもたらしました。
第二に、福島事故という最悪といってよい大事故を引き起こしてしまった点です。
あり得た現在:第三次オイルショックが起きていたら?
現実は原発推進は結果的に負けに終わったわけですが、逆に原発推進の賭けが勝ちに終わった可能性もあったわけです。
あり得た可能性の一つとして、極めて深刻な形での第三次オイルショックが考えられます。
仮に化石燃料(石油・石炭・LNG)の輸入量がオイルショックにより半減すると想定します。
2010年の発電量の比率は原子力が約30%、化石燃料が60%、その他(水力・新エネルギー)が約10%となっています。(http://memorva.jp/ranking/japan/enecho_energy_power_share_2010.php)
また原発を一切導入しなかった場合を、化石燃料が90%、その他10%という比率と想定します。