生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

今日から使える統計解析 大村平著

ほとんど統計解析の知識がなかった数年前に初めて買った統計解析の本を紹介します。

今日から使える統計解析 (今日から使えるシリーズ)

今日から使える統計解析 (今日から使えるシリーズ)

目次は以下の通りです。

第1章 数の群れにはなにが隠れてる? 統計解析ことはじめ
第2章 ノーマルとアブノーマルの科学 正規分布に親しむ
第3章 ウナギ捕りから推測統計へ 推定という知的な作業
第4章 実力か、まぐれか、いかさまか 検定いう決着のつけ方
第5章 不良品からあなたを守る術 標本調査による保証
第6章 じょうずな実験教えます 分散分析と実験計画法のダイジェスト
第7章 今を知り、未来を占うテクニック 相関と回帰の一部始終

統計解析入門の最初の一冊としてオススメ

最初にまず様々な平均値(相加平均、モード(最頻値)、メジアン(中央値)、相乗平均)の説明から入り、その後正規分布等の分布の解説がされます。

そして有限個の標本からt分布による「真の平均」の推定、2つのデータ間に有意な差があるのかどうかをチェックする検定、データを直線で近似する回帰等の統計解析の基本手順が解説されます。

説明のために分かりやすい簡単な例が多く示されており、統計解析の知識に乏しい人がさらっと一冊読んで基礎を身につけるにはちょうど良い本だと思います。

ページ数も200ページ弱と短く、難しい数式もなくさらっと読むことができます。

著者の大村平博士は元航空自衛隊幹部

wikipediaの経歴をみて分かるとおり、著者の大村平(ひとし)博士は元航空自衛隊幹部をされた方であり、非常に多くの統計解析や数学に関連する著書があります。

今読んでいる本が「情報数学のはなし」

情報数学のはなし―情報理論から暗号・認証まで

情報数学のはなし―情報理論から暗号・認証まで

でして、情報数学でのビットやエントロピー、暗号化といった概念が分かりやすく例とともに説明されており、大変勉強になりました。



※「情報数学のはなし」と同じシリーズの本「統計解析のはなし」

統計解析のはなし―データに語らせるテクニック (Best selected Business Books)

統計解析のはなし―データに語らせるテクニック (Best selected Business Books)

ブログ(投資の消費性について)で紹介されていたのに触発されてこのエントリーを書きました。