生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

理系のための人生設計ガイド 坪田一男著

ブルーバックスから発売されている「理系のための人生設計ガイド」を読みました。

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

この本では研究活動そのものに関連するアドバイス(論文の書き方等)ではなく、研究者としてのキャリアを築いていく上のアドバイスが中心となっています。

私が個人的に強く興味を持った部分は以下の通りです。

第3章 経済編 「研究者こそ経済的自立が必要だ」

教員になったとして得られる年収は・・・その金額で子供を養うことを考えると学費、生活費がこれだけかかって・・・収入を増やすにはアルバイト(著者は医学系なので病院でのアルバイト)や講演料も重要で・・・

といった具合に研究者としてのキャリアと人生で必要となるお金についての話があり、なかなか面白く読めました。

第6章 ポスト編 「母校の教授になるために」

とにかく母校である慶応大学の教授になりたい!と考えていた著者がいかにして希望通りに慶応大学教授になれたかを説明されています。

教授というポストの審査がどのように行われているかという情報はほとんど表に出てこないものだと思いますので、この章の内容はかなり興味深いものでした。


他にもノーベル賞を狙う気持ちで研究をする といった具合にいろいろとためになる内容が多かったです。


ブルーバックスで1,000円でお釣りがくる手ごろな価格の本ですので、アカデミックな世界で生きていこうと考えている人であれば読んでおくとかなり参考になると思います。


なお、この著者の坪田一男教授は、より研究活動そのものに重点を置いた本も執筆されており、こちらも近いうちに読んでみたいと思っています。

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)