研究者は研究成果を論文として発表することで世に公表します。
理系の多くの分野では、英語の査読付き雑誌に発表された論文のみが評価の対象とされますので、否応なしに英語で論文を書く必要があります。
web検索を活用する
日本語が母国語である以上、多くの人は論文に書く内容をまず日本語で考え、日本語で表現します。
そして適切な英文に書き直すことで論文を執筆を進めます。
この英語への変換があまりにも下手ですと、論文を投稿しても「英語が下手すぎる」という理由でリジェクトされてしまいます。
この日本語→英語に翻訳するプロセスはweb検索を活用することで効率化することができます。
例として「Aのスペクトルが強い」という文を英語で表現することを考えます。
まず各々の単語を和英辞典で調べます。
Web上で使える英和・和英辞典として、英辞郎は割と専門的な言葉も載っており、まず最初にここで検索をかけています。
「スペクトル→spectrum」が得られます。
「強い」については「hard, high, intensive, powerful, strong」のように使えそうな形容詞が数多く得られます。
次に「スペクトルが強い」の表現を調べるために、「spectrum is 形容詞」で検索をかけます。
普段使うGoogle検索でもよいのですが、それよりも科学技術関連の検索に特化している検索エンジンを使うほうがよりベターな結果が得られます。
そのような検索エンジンとしては
が挙げられます。
例えばscirusで「spectrum is 形容詞」を検索するとヒット数は以下のようになります。
検索ワード | ヒット数 |
"spectrum is hard" | 457 |
"spectrum is high" | 427 |
"spectrum is intensive" | 12 |
"spectrum is powerful" | 8 |
"spectrum is strong" | 182 |
ここで「"spectrum is hard"」のように"(ダブルクォーテーション)で囲むことで、フレーズ単位での検索を行っています。
この結果から「spectrum is hard」または「spectrum is high」のどちらかを使うとよさそうだということがわかります。
実際にはニュアンスの違いによる使い分けがあるのでしょうが、とりあえずは多く使われている表現を使っておくと大間違いということはないと期待できます。
また検索結果として表示される英文が本当に自分が使いたい意味で使われているかも忘れずチェックしておきましょう。
コーパスによる表現探索
英文のコーパスを使うことでよく使われる表現を調べることができます。
無料で使える英語論文表現のコーパスとしてinMeXesがあります。
例えば「spectrum is」と入力すると、その前後によく使われる表現が表示されます。
ここで「spectrum is」のリンクをクリックすると、「spectrum is」を含む文例が数多く表示されます。
この中から使えそうな表現を探すこともできます。

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