読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

生物物理計算化学者の雛

主に科学に関する諸々を書き留めています。

分子シミュレーション

windows版VMD(32bit)の利用できるメモリ量を2GBから4GBに増やす

分子動力学計算結果の可視化などに用いられるプログラムVMD - Visual Molecular Dynamicsは Linux版、MacOS版、Windows版 が配布されています。なんだかんだでWindows版が一番使いやすいのですが、残念ながらWindows版は32bit版であり、64bit OSであっても利…

ノーベル化学賞を共同受賞したWarshelとKarplusは複雑な人間関係?

昨日発表があった2013年のノーベル化学賞は、Martin Karplus, Michael Levitt, Arieh Warshel の3人がマルチスケールシミュレーションの業績で共同受賞しました。3人は分子動力学計算プログラムCHARMMの開発等で共同で研究していた時期があるため友好的な…

2013年ノーベル化学賞は多階層シミュレーション(QM/MM計算)の3人に

さきほど2013年ノーベル化学賞が発表され、 Martin Karplus, Michael Levitt, Arieh Warshel の3人が「for the development of multiscale models for complex chemical systems (複雑な化学系のマルチスケールモデルの開発に対して)」の仕事で受賞しました…

太陽系の惑星運動シミュレーションと分子動力学計算のスケールを比較

ふとしたきっかけで、地球と火星が数十億年後に衝突する可能性があるよー、というシミュレーション研究が数年前に話題になっていたことを思い出し、元記事を見つけました。35億年後、地球が火星と衝突する?パリ天文台が試算論文で主張している結果について…

解析解と数値解

数学的な問題の解は大きく「解析解」と「数値解」に分けられます。例えば「サイコロを2個振って両方とも1が出る確率を求めよ」という問題を考えます。解析解は理論的・代数的に算出できる解であり、確率の知識があれば「1が出る確率は1/6であり、2回とも…

2013年度 分子シミュレーション関連学会日程

2013年度の分子シミュレーション分野に関連する国内学会の日程をまとめておきます。 (随時更新します) 第16回理論化学討論会 2013年5月15日(水)〜17日(金) 福岡市健康づくりセンター(あいれふ) 第13回日本蛋白質科学会年会 2013年6月12日(水)〜14…

分子シミュレーション実行時には光学異性(キラリティ)に気を付ける必要あり

炭素原子にそれぞれ異なる4つの原子・置換基が結合すると、その炭素原子はキラル中心(不斉中心)と呼ばれます。 キラル中心が1つだけ存在する分子は、右手と左手のように重ね合わせることができない光学異性体(R体/S体、互いの関係はエナンチオマーと呼…

分子構造可視化プログラムQuteMol

タンパク質等の分子構造をキレイに描画できるプログラムQuteMolを紹介します。http://qutemol.sourceforge.net/Windows、MacOS X に対応しています。 分子構造の入力はPDBフォーマット形式です。 多彩な描画形式 RCSB の David S. Goodsell博士が解説する今…

結晶構造描画ソフトVESTA

結晶構造や電子密度等を可視化するフリーのソフトウェアVESTAを紹介します。 Windows、Mac OS、Linux版があります。http://jp-minerals.org/vesta/jp/CIF, PDB, Chem3D, XMol, VASP等の多彩な構造データファイルの読み込み・書き出しが可能です。 以前は有償…

Youtube MD動画再生数から計算化学(基礎科学)が盛んな国を見る

3年半ほど前にYoutubeにアップロードした水のMD動画の再生数が1万再生近くまで増えてきました。 MD計算の動画を見る人というのは、基礎科学の一分野である計算化学に関連のある人が多いでしょうから、再生数が多い国ほど基礎科学が盛んな国であろうと推測…

各種MD力場によるβヘアピン構造形成の比較動画

タンパク質MDシミュレーションで使われる代表的な力場としてAmber, GROMOS, CHARMM, OPLS 等があります。各力場パラメータにはαヘリックス・βシートといった二次構造のどれを形成しやすいかという傾向があります。各種力場を使ったMD計算での二次構造形…

PDBファイルをExcelで編集する

PDBフォーマット タンパク質構造データベース(PDB)には、X線結晶解析・NMR等の手法で測定されたタンパク質や塩基等の生体高分子の立体構造が登録されています。その情報はPDBファイル形式(座標データ部分のフォーマット詳細はこのリンク先を参照)で取得…

なぜTIP3Pモデルを使うのか

以前に分子動力学シミュレーションの水モデルとしてTIP3Pモデルが最も良く使われていることを調べました。(分子動力学計算で使われる水モデルの構造と使用頻度) その時にも書きましたが、TIP3Pモデルには拡散係数が実験値より2倍以上大きいという欠点があ…

D.E.Shaw ResearchとMD専用機Anton

MD計算専用計算機Antonにより通常の計算機とは別格のMD計算速度を実現し、ミリ秒スケールの桁違いに長いシミュレーションを実現したことで有名なアメリカの研究所 D E Shaw Research とその主催者 David E.Shaw博士についてまとめました。参考資料 http:…

Rにより結合エネルギー関数フィッティングを行う

昨日行ったHe-He間距離に対する結合エネルギーカーブをRによってフィッティングしてみました。6-12 LJ型の関数およびモース型関数に対してフィッティングを行いました。 6-12 LJ型関数 εは平衡距離での結合エネルギー(前回MO計算では 0.00152 kcal/mol)、…

He原子の6-12レナードジョーンズ相互作用項の分子軌道計算による算出を試みた

ヘリウム(He)原子を含む系のMD計算を行おうとしたところ、AMBERのGAFF汎用力場にHe原子の6-12レナードジョーンズ(LJ)相互作用パラメータが存在せず、さらに少し調べた範囲では数値が出てこなかった。(Universal Force Field の論文にはLJ関数パラメー…

分子構造データベースまとめ

MD計算やMO計算を実行するための初期構造は単純な分子であれば自分の手で作成することも可能ですが、複雑な分子では手作業での作成は大変です。 そのような場合はデータベースからX線回折等の実験により得られた結晶構造を用いることになります。 生体高分子…

分子動力学計算で使われる水モデルの構造と使用頻度

分子動力学(MD)計算において最も頻繁に使われる分子として水分子H2Oがあります。 水そのものの性質を調べることはもちろん、それ以外にも水溶媒中の生体高分子等の計算にも水分子は必要であり、そのモデルの正確性は結果に大きく影響し重要です。 3相互作…

DFT計算でB3LYPがどれだけ使われているかを調査

分子の構造やスペクトル等の性質を計算する分子軌道(MO)計算において、適度な計算量で電子相関を取り込めることから密度汎関数(DFT)法がよく使われます。新版 すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル (KS化学専門書)作者: 武次徹也,平尾公彦…

iPS細胞のノーベル賞に思う分子シミュレーションから見る細胞の巨大さ

山中伸弥教授が「成熟細胞が初期化され多能性をもつことの発見」により2012年度ノーベル医学生理学賞を受賞されました。 大変喜ばしいことです。 iPS細胞のもつ履歴 iPS細胞と関連する話として、先月開催された分子科学討論会の特別講演で発生生物学の大…

CentOSへのAMBER12のインストール手順

CentOS マシンに AMBER12 のインストールを行ったので手順をまとめておきます。 なお詳細な情報が http://jswails.wikidot.com/installing-amber12-and-ambertools-12 (ただし英語)にまとまっています。原因は不明ですが CentOS 6.2 マシンではコンパイル…